クリスマスの楽しみ
2016/12/23
2016/12/23
2016/11/12
季節はそろそろ晩秋、里山でも雪の便りが届くようになり今まさに美しい錦絵を見せている紅葉も、やがては時が押し流して錆びて行くのかと思うと切なさでいっぱいになる。
先週お知らせした社員旅行も終わり、いつもと変わらぬ日常にあることが不思議な気分。あれほど準備に追われていた日々も夢であったのではないかと思うくらいに。
初めて幹事兼、ツアーガイド的なお役目を頂き(あ、ありがたい(・・;)10月初めから試行錯誤の悶々たる日々。まあなんとかなるだろう的なところまで漕ぎ着けたように思えたのが旅行の3日前。仕事中にも合間をみてはコツコツと資料を集め、原稿を書き、自宅に帰るとご飯もそこそこにネットサーフィン(古いな・・・)。けれど、食べるとすぐに眠くなる習性は如何ともし難く。いかんいかん!遅々として進まず、「引き受けなければよかった^^;」と、後悔しきり。それでも、アイデアは突如として浮かぶものだから、ハッと目覚めては書き留めていった。そして形になったのが電車の中吊り広告風。ネットでたまたま見た週刊アスキーさんの広告、思い切り拝借させて頂きました。思いついたキーワードを並べて見た。おしゃべりできるように、もうこれになんとか肉付けして行くより他なかった。
平成28年11月6日、当日は快晴。これも日頃の行いの良さ・・・と、ありふれたご挨拶。今回訪れるのは北信濃。ご参加下さったお客様とお世話になるドライバーさんのご紹介。ここまではシナリオ通り、よしよし。ところが、18個の眼が一斉にこちらを見ている!と意識した途端、あ、もうダメ!!頭の中が白~くなり始めた。次の言葉を失いかけ、しばし絶句していたその時、ドライバーさんがすかさず10万曲入っているカラオケがあるからと救いの手。早速準備を始めて下さるが、あ、いや、まだ早い!それに自分の中で用意した手順がかえっておかしなことに・・心の中でアタフタ。ところが、幸いというのか操作タブレットの不具合でカラオケは使用せずに済んだ。
わかりやすく説明したくてA3サイズでフリップまで作ったのだ。落ち着いて!とりあえず段取り通りにやればいいから、と心の中で呟いてみる。旅先がどんな位置関係のところにあるのか、地図を使っての説明。さらには車窓から見える迫っては過ぎて行く綺麗な山並みのこと。最初に見えてくる大きい山は?日本アルプスと呼ばれる地図上での正式な山脈の名前は?標高は?自分の苦手な地理ではあるが、準備段階で国土地理院の山がわかる地図を調べているうちにその面白さにのめり込んでいった。調べたい本筋から度々外れ、何を調べていたのかわからなくなる。そうして作ったクイズは、少なからず山への関心を持つきっかけになってくれたものと信じたい。
様々な不安を乗せてバスは山梨県へと入った。すると、突然社長から武田節のリクエスト。カラオケが使えないからと交わそうとしたものの、スマホがあるので歌詞がわからないは通らないと諦めた。子供の頃親戚の集まりでお酒が入ると手拍子で大人たちが歌っていたのを思い出しながら歌ってみた。詩吟のところはさすがにパス。カラオケは使えない。アカペラで歌いきった!これで、少し度胸が付いたのかもしれない。もしかすると社長の心遣いの策略だったか?
ともあれ、自分のシナリオは続く。
中吊りの構成は行く先に関係したキーワードをアットランダムに並べただけ。デザインソフトはないからエクセルを駆使した。昔とは比べ物にならないくらいありがたい表計算ソフトだ。
旅の最初に立ち寄るのはお昼を頂くおぎのやさん。峠の釜めしは懐かしい方も多いのではないだろうか?直径140mm×高さ85mm×重量725gの益子焼の土釜で炊かれた、いわゆる駅弁。電車で旅する人が多かった時代、碓氷峠を越えるために補助機関車を繋ぐための停車時間に売られた駅弁のエピソードも忘れずに。出発から約5時間、発祥の横川ではなくて諏訪で懐かしい味に出会った。食べ切れないほどの豪華御膳。やはり圧倒的な存在感を示したのは釜めしだった。美味しかったなぁ・・・もちろん土釜はお持ち帰りで!
外へ出るとそこで売っているりんごの匂いと信州の秋の冷たい空気がシンクロして長野まで来たんだと実感。
さて、息つく間もなく次の移動先は黒澤明監督映画「夢」の舞台、安曇野。やはり移動中に工房で体験して頂くわさび漬け作り体験の説明や20年かけて日本一のわさび田湧水群に成長した経緯、なぜ大王と名のつくわさび農園なのか、なぜなぜを説明。ネットから出力して来たわさびソフトクリームの割引券も配布のリーフレットにさりげなく添えて。今回はどうしても記憶に残るよう、体験型の旅にしたかったので社長にお願いして企画に加えさせて頂いた。包丁使いが初めての男性も、堂に入った男性も出来上がったわさび漬を見て喜ぶ様子を見る私は更に嬉しく思った。1,030円の出費をお願いする価値はあったかなと。
話は飛んで中吊りチラシの中に映画のタイトルが2本はいっているのがおわかりだろうか。今回、行く先々に関係のあるDVDの2本立て上映を計画。「私をスキーに連れてって」は、年配者には懐かしい作品かと思うが、折しも宿となる湯田中温泉がチラリ登場もあり、スキーシーズンも近いというだけのノリでチョイスした感が強い。また、「風立ちぬ」は、堀辰雄が愛した軽井沢が舞台にもなっており、アニメながら当時を知るにはいい教材になると考えた。最後まで迷ったスキーのほうは雰囲気で上映をパスしたが、アニメのほうは帰りの車中で上映して高評価を頂いたことは嬉しかった。
さてさて、わさびソフトとわさびコロッケを堪能し、大王わさび農園を後にして、タイムスリップで江戸時代へ。現在、松代でNHK大河ドラマ「真田丸」の放映に合わせて真田大博覧会が開催されている。古い町並みで落ち着いた佇まい。真田宝物館・旧真田邸・文武学校3館共通券800円をわずか1時間で見学するには時間があまりに少なかったのが残念。ここも車中で事前情報をインプットしておいて正解だったかもしれない。真田家の家紋六文銭に秘められた武士の思いは心に響いただろうか。改めて大河ドラマを最初から観たいと思う。
夕暮れ迫る街並みを後にして、バスは宿となる湯田中温泉のよろづや旅館さんに到着。ようやく長かった1日が終わった。
ここ、湯田中は西の横綱「道後温泉」と並び称される、東の横綱「大湯」があり、真田氏からも愛された温泉だという。また、昭和初期に贅を尽くして建てられた、私たちが泊まる本館とは別棟(え!別棟のなの?)の松籟荘は登録有形文化財に指定されおり、桃山風呂も必見の老舗旅館で美味しい料理、癒しの湯で旅の疲れが解けて時間を過ごせたこと、満足!満足!旅の夜は更ける。
翌朝、草津白根有料道路は路面凍結により通行止めとの情報で予定ルートの変更を余儀なくされた。お猿の入浴シーンで世界的に有名になった地獄谷温泉の脇を通り、「私をスキーに連れてって」の舞台となった焼額山の脇を通り、草津を抜けて軽井沢へ下りてくるルートは断念せざるを得なくなった。また高速道路に乗り、佐久インターで降り国道18号(中山道/ロマンチック街道)から北へ上がり予定とは逆のコースを辿り、浅間山北側の鬼押出し園へ。20代の頃に訪れた時の見方とは大分違って見えるものだ。やはり、土地の成り立ちを知って見るのと、知らないで見るのとでは印象や思いが全く違うという事。ただの造形だけではない。そこに暮らしがあったという事実。天明の大噴火により発生した火砕流が鎌原村を襲い、477人の犠牲者がここに眠ることになった悲劇は、この奇岩群となって後世の私たちにまで自然の恐ろしさを伝えているのだ。浅間山の美しい稜線とは正反対の恐ろしさを感じた。
さあ、旅もいよいよ終盤。バスはまた、来た道を引き返して別荘群のある軽井沢へ戻って来た。
かつて、江戸時代は中山道の一宿として賑わった時代があったことに思いを致してここを訪れる人がどれほどいるのだろう・・・更に進んで、明治時代にアレキサンダー・クロフトショーというカナダ人宣教師によってこの地が避暑地として発展するきっかけになった経緯を思いながら街中を歩く人はどれだけいるのだろうか?また、昭和の初めに起きた浅間山荘事件でフィーチャーされたカップヌードルの事を知っている人はどれだけいるのだろうか・・・別に知らなくても軽井沢を楽しむことはできるのだけれど、ちょっと変わった見方もできるのであえてこだわってフリップまで使って調べたことをお話してみたくなった。そんなにこだわって峠道でしたたかバス酔いした自分は、みんなを先にショッピングモールへ見送ってから、みんなが美味しく平らげて行ったのと同じ自分のそば御膳を大木の下に広がる、よく管理されたグリーンの広がる庭を眺め、酔いを醒ますように1人ゆっくりと頂いた。それからややして向かいの席に持て余すように私を待っていてくれた中井さんと2人で日本最大級と言われるショッピングモールへと急いだが、なんだか広すぎてようとして何も掴めずに、ただの散歩で終わった。
やはり、信越本線より北側のまだ往時の面影が残る、旧中山道の方が性に合っているようだ。それはまた、いずれかの機会に。理屈じゃない、好奇心をもってまた訪れたい奥の深い軽井沢なのでした。
2016/06/23
梅雨前線の停滞で今週は雨に悩まされますね(^_^;)
さて梅雨と言えばアジサイの花が象徴的ですが、雨に濡れた姿はやはりアジサイによく似合いますね。先週の日曜日、この時季に訪れる人も多い鎌倉あたりを散歩してきました。予想通りの混雑はどこへ行っても同じでした。アジサイ寺としても有名な明月院は北鎌倉の駅を降りたすぐから行列が続き、その行列は山門を潜ってからも延々と。今やスマホを持った人すべてがカメラマン状態。なるほど・・・・行列の原因に納得。アジサイを見に来たのか人を見に来たのか・・・・兎も角も、アジサイだけに目を向ければそこにはあざやかな色彩が広がってみごとな景色を見せてくれます。ここ明月院のアジサイは日本原産品種のヒメアジサイが多く、玉になった花の房がかわいらしい形をつくっています。ほかにもアジサイは品種改良が進み、新しい品種が咲き誇っていました。美しい青やピンクの花色は土の中のアルミニウムとアントシアニンが反応して発色することを知りました。酸性の土壌にはアルミニウムがよく溶けだし、鮮やかな青となり、そうでないアルカリ性の土壌ではピンクの花となるそうですね。中には白いアジサイもありますが、色素がないので土壌に関係なく白いままだうです。
アジサイを堪能した後は当然お腹もすき、食を求めて・・・・けれど当然、お茶をしたくても食事をしたくても、この人の波が押し寄せていくわけで。下調べして行ったお店はどこも入れずじまい。こんどは平日に訪れたい鎌倉散歩でした。
2016/03/11
2015/11/16
ちょうど一週間前、あいにくの悪天候の中、羽田空港から能登空港へ向けて飛び立った飛行機。北陸新幹線開通に沸くこの時期、なんで飛行機なの?と思うも、まあ飛行機なら一時間もかからずに目的地についてしまうから、有効な時間の使い方もできるし・・・などと、雲の中を飛びながら考えたりした。
着陸態勢に入ってから間もなく、悪天候により着陸を試みたが羽田空港へ引き返
すことになったとのアナウンス・・・はて?旅はこのまま中止か?能登空港じゃ
なく近くの小松空港への着陸は無理なのか・・・・東京へ戻って新幹線で出直し
か・・・・旅費はどうなるのだろう・・・・いろいろな思いが交錯。同乗客の中
には添乗員に当たり散らす人まで・・・機内は重たい空気のまま結局、羽田空港
に舞い戻り到着ゲートから一旦外へ。再度長ーいロビーを歩き出発ゲートから荷
物検査を二度も受け、幸い空席のあった小松空港行きに乗り換えてやっとの思い
で北陸へ向けて仕切り直し。一人や二人の旅ではなく、90歳の足の悪いお年寄り
から女性も含めて11人の大人数の移動は困難を伴う。幹事はたいへん!
そんなこんなで旅は、小松空港からのはじまりとなった。予定されていた能登金
剛での昼食はキャンセルとなり、小松空港で急きょ調達したます寿司弁当を現地で
用意されたチャーターバスのなかで頂くこととなった。お世話になる添乗員さんと運転手さんはベテランで細やかな気配りをして頂きこれから2泊3日の旅がさらに印象的な旅に。
伊勢の夫婦岩と並んで有名な能登二見といわれる「機具岩(はたごいわ)」や、松
本清張の小説「ゼロの焦点」の舞台となったの巌門などは国定公園にもなってい
る奇岩のつづく景勝地として有名なところ。雨でほとんど車中からの見学。能登の夕暮れは早い・・・?
いつの間にやら夕暮れが迫り「キリコ会館」の見学が終わったころにはあたりは
真っ暗。キリコのお祭りに使われる巨大な灯籠のほの明かりが夕暮れの空に残像
として映り込んだ気がする。青森のねぶたは人の形や竜(だったかなぁ・・・)な
どを灯籠に仕立てているが、キリコはすべて長方形の灯籠に文字や絵が描かれている
のが特徴的。なんでも、お盆よりも大事なものということで、お盆に帰省しなく
てもキリコ祭りに合わせての帰省があたりまえとなっているそうです。
このあと立ち寄る予定だった白米千枚田(世界農業遺産)は日没のため残念ながら
見学を断念。最初の宿泊地、和倉温泉に荷を下ろしました。
石川県七尾市に位置する和倉温泉の泉質は、ナトリウム・カルシウム塩化物泉、
弱アルカリ性で、塩分が非常に強くとても温まりました。
夕食はやはり北陸の温泉地らしく、和食プラスカニですね!
翌朝、七尾湾を眺めながら先輩にごちそうしていただいたコーヒーは最高でした。
この旅館の庭園はよく作ってあると社長がはなしていました。やはり造園会社の
旅はまず、そこですよね。みどころ!
二日目は金沢市内へ。武家屋敷の街並みの中を歩いたり、その庭園を見学した。
おりしも雪つりの始まった兼六園内を散策。象徴の二本足の徽軫灯籠(ことじと
うろう)も鎮座していました。古木のもみじもいい風情。また、なにより松の木
が多かった印象です。松の木は手入れがむずかしいというかたいへんと聞いてい
るので、こんなにたくさんの木を手入れする職人さんがたくさんいるのだと思う
と、やはりさすが加賀藩の息のかかった(?)日本三名園のひとつなんだなぁと感
心するばかりでした。
二日目は、北陸三県で最大級の温泉街(山代・山中・片山津)のひとつと称される
山代温泉にお世話に。最初の和倉温泉の仲居さんもこちらの仲居さんも最高に楽
しいベテランさんでした。この山代にはかつて北大路魯山人の寓居跡などもあり、
ほんとうは昼間歩いてみたい街でしたが、残念ながらお食事と温泉を堪能するに
とどまりました。ここは弱アルカリ性の硫酸塩泉で、二日でぜいたくな温泉バイ
キングとなりました。
翌日最終日は、曹洞宗大本山永平寺の厳しい見学修行?(のつもりで拝観しないと
いけないということでしたが・・・)学生の頃、学校の行事で鶴見の総持寺で参
禅修行をした経験があるけれど、またお泊り修行してみたい気がしました。身が
引き締まって一度はいいものです。
そして最後の見学地、東尋坊。やはりお坊さんに由来する地名だと知った。悪事
の限りを尽くした僧侶、東尋坊を持て余した仲間の僧侶たちが東尋坊を酔わせて
海へ・・・・って、殺人事件では・・・というエピソード残るいわゆる自殺の名
所としても知られているけれど、地元の人にとってはそれはあまりうれしくない
飾り言葉かも。
お昼には越前そばも頂いて、お土産も買って、ハプニングのあった小松空港から
羽田空港へ。いろいろあった二泊三日の旅はこれでおしまいです。
いつかこんどは、北陸新幹線に乗って再び訪れたいと思う北陸でした。
by Muraki